徳島大学総合科学部モラエス研究会

徳島大学総合科学部モラエス研究会の活動記録

【モラエス研究会例会・読書会10月12日】

更新が遅くなってしまいました。
毎週学会続きで,その準備に追われておりますが,10月12日(土)に予定通り,研究例会・読書会を開きました。

今回は,「半分のバナナ」についてでしたが,モラエスが海軍時代,艦上で誰もがあだ名で呼び合っていたとあって,その名前を思い出すままに挙げてあります。その様子に,海軍時代,艦上で男同士の一体感というか,仲間意識の強さというものが感じられます。狭い船の中で,長期間にわたる航海のあいだ,不自由や苦労,危機感故の緊密な関係が生まれていたことがうかがえます。

船の中という狭い世界となると,たとえば,メルヴィルの『白鯨』などが頭に浮かびますが,閉ざされた空間に,いろんな人種が混交して存在しているというこの小説には,またいろんな意味をくみ取ることができますが,海軍軍人で艦を率いていたモラエスというものを想像してみると,人を束ねて秩序を保ちつつ任務を果たして航海を無事終えなければならないとなると,その人望や統率の能力,社交性など,ある程度の人間的な力量がなければ務まらないことでしょう。
そう思いますと,モラエスが徳島に隠棲して,ひたすら孤独な生活をしていたというのが,少し疑問に思えてきます。気むずかしい神経質な側面も見られるようですが,それ以上に,おおらかで気さくで社交的な側面があったのではと思われます。

今回は,佐藤先生が用意されたパワーポイントの資料で,ポルトガルの歴史を概観し勉強しました。
海洋国家の盛衰とモラエスが生きていた頃の激動ぶりを改めて理解することができました。

   

   


11月16日(土)に,日本比較文学会第49回関西大会徳島大学総合科学部において開催されますが,シンポジウムと特別講演については,会員以外の一般の皆様に公開いたします。

シンポジウムは,モラエスが徳島に来住して100年目にあたるということで,「モラエスとハーン―生へのまなざし,死へのまなざし―」(徳島日本ポルトガル協会後援)と題し,本学教員の宮崎隆義と佐藤征弥がパネリストとしてモラエスについて発表いたします。ハーンについては,難波江仁美氏(神戸市外国語大学)と西成彦氏(立命館大学)が発表されます。

特別講演については,本学総合科学部の石川栄作教授が「『ニーベルンゲンの歌』とワーグナー『指環』四部作の比較研究―ブリュンヒルト(デ)の役割をめぐって―」と題して,講演をされます。

 どうぞご来場いただきますようご案内申し上げます。

日本比較文学会第49回関西大会:
 日 時: 平成25年11月16日(土) 14時20分〜17時30分
 場 所: 徳島大学総合科学部1号館北棟3階 301講義室
      (徳島市南常三島町1−1)
 参加費: 無 料(申し込み不要)
 
        
※お車でお越しになる場合,駐車場(工学部の正門ゲートを通って図書館南側駐車場)が利用可能ですが,できるだけ公共の交通機関をご利用ください。なお,ゲートに守衛さんが不在の時には,インターホンで来意をお告げください。
 


次回の研究例会・読書会は,秋の学会シーズンに入るため不定期になりますが,12月14日(土)を予定しております。 

例会・読書会は,本当に自由な雰囲気でおしゃべりをしておりますので,ご興味のある方は,どうぞ気軽にのぞいてみてください。


研究例会・読書会

日時:平成25年12月14日(土) 10時30分〜12時
場所:徳島大学総合科学部 1号館南棟3階 第1会議室

   (徳島市南常三島町1−1)


※お車でおいでの際には,工学部正門のゲートより入られて,図書館南側の駐車場に駐車いただきますようお願いいたします。ゲートに守衛さんが不在の場合は,インターホンを押して来意をお告げください。

参 加 費: 無料(申し込み不要)

読書会の内容:

 読書会の作品『おヨネとコハル』(岡村多希子訳, 彩流社, 2000円+税)

問い合わせ先: 宮崎隆義

        電話:088-656-7131

        E-mail: miyazaki@ias.tokushima-u.ac.jp