【総合科学部1号館に新たにパネルを展示しました】
徳島大学総合科学部1号館1階の廊下には、以前からモラエスに関するパネルを掲げていましたが、新たに20枚のパネルを常設展示することになりました(下の写真)。これらの新たなパネルは、徳島県立文学書道館の企画展「文学者の見たモラエス」で展示されたものです。企画展終了後、徳島日本ポルトガル協会がパネルを譲り受け、同協会のご好意で総合科学部にご寄贈いただきました。徳島県立文学書道館ならびに徳島日本ポルトガル協会に感謝申し上げます。
モラエスは、日本で有名になることを望まず、生前に彼の著書の翻訳本は出版されませんでしたが、死後に著作が次々と翻訳されると、日本の文壇はまたたくまに彼に注目しました。
多くの日本人作家の論評を通じて、かつて徳島の地に長年過ごした一人のポルトガル人の数奇な運命や精神性に思いをはせていただけたらと願います。
【モラエス研究会例会・読書会2020年7月4日の報告 & 次回予告】
1 ) 例会・読書会開催の報告
新型コロナウィルスの影響により、半年以上も空いてしまいましたが、2020年7月4日(土)に例会・読書会を開催しました。
研究会の冒頭で、モラエスが「スペイン風邪」について書いていることが話題になりました。「スペイン風邪」は、1918年から3年間、世界中で猛威をふるったインフルエンザです。モラエスは、著作『おヨネとコハル』の中の「久松は家にいません」という作品の中で、これを大題材にして、大勢の人が亡くなった悲惨な状況を記すとともに、感染防除のために「久松留守」と記されたお札を玄関に掲げることが行われていたことを紹介しています。この風習は、江戸時代の有名なお染・久松の心中事件に由来しています。流行病はお染の亡霊が久松を探して市中をさまようことによって人々に伝染するのだという迷信がいつしか生まれ、「久松留守」のお札を風邪除けにするという風習が生まれたものです。
読書会では『シナ・日本風物誌』から「春」の後半と「人魚」を紹介しました。「春」において、モラエスは神戸の布引の滝が上流のダム建設により、大きく変化したことを書いています。また「人魚」は日本の昔話を少し脚色して紹介しています。人魚に関する昔話といえば、若狭の八百比丘尼をモチーフとしたものが一般的ですが、ここでは「鶴の恩返し」とそっくりの内容で、鶴を人魚に置き換えた話です。この作品は、モラエスの全作品の中でも、他に例がないほど浮かれた調子の文章で書かれています。これを書いた時、モラエスはどのような心境だったのか興味が持たれます。
2 ) 次回開催予定
※お車でお越しになる場合,駐車場(工学部の正門ゲートを通って図書館南側駐車場)が利用可能ですが,できるだけ公共の交通機関をご利用ください。なお,ゲートに守衛さんが不在の時には,インターホンで来意をお告げください。
参 加 費: 無料(申し込み不要)
読書会の内容:資料はその場で配布予定です。
【モラエス研究会例会・読書会開催のお知らせ】
新型コロナウィルスも収束に向かいつつあり、ようやく大学においてイベントを開催することができるようになりました。下記のように研究会を開催いたしますので、皆様のご参加をお待ちいたします。
研究会例会・読書会:
日 時: 令和2年7月4日(土) 10時30分~12時
場 所: 徳島大学総合科学部1号館・南棟3階・ゼミ室6
(下のキャンパスマップの青丸で示した場所です)
【近況報告】1) 新型コロナウィルスに伴う研究会・読書会の開催自粛について, 2) 連絡先の変更, 3) 徳島市長より感謝状を授与されました
1) 新型コロナウィルスに伴う研究会・読書会の開催自粛について
ご参加を予定されていた皆様には、多大なご迷惑をおかけしますこと、心よりお詫び申し上げます。今後の再開時期については、新型コロナウィルス感染症がおさまってから、お知らせいたします。
2 ) 連絡先の変更
【モラエス研究会例会・読書会12月29日】
今年もはや2月となりました。寒暖の差が激しく,また感染症の流行が心配されるこの頃ですが,皆様お変わりなくお過ごしのことと存じます。
前回12月21日の例会・読書会は,ポルトガル&レイリア・ウィークに合わせた各種イベントの話や,これからの予定などを交えてご相談できました。放送大学でのモラエス顕彰の事業報告も石川先生のご尽力で進んでおります。
1月は入試業務等の関係で中止とさせていただきました。
今後の予定としては以下のように考えておりますので,ご了解ください。急な公務や出張等でさらに変更もあるかもしれませんが,ブログや総合科学部のホームページでその都度ご確認ください。
令和2年(2020年)
2月29日(土)10:30~12:00 予定
3月28日(土)10:30~12:00 予定(時間帯は変更の可能性あり)
読書会は,これまでと同様に,行きつ戻りつしながら,作品を楽しみつつ,昔の様子や,当時の記憶などを留めていきたいと思います。関連して,「昔ここはこうだった,あそこはああだった」とか,どんなことでも結構ですので,いろんな情報や話題をお気軽にご提供くだされば大変ありがたく存じます。研究例会・読書会はいつも公開で,モラエスに興味や関心がおありの方,あるいは徳島の魅力再発見をお考えの方など,自由にお気軽に参加していただくことを考えて開いておりますので,若い方々,昔の徳島の姿をご記憶の方々の参加をお待ちしております。
例会・読書会の案内は,研究会のブログ(https://iasmoraes.hatenablog.com/)や徳島大学総合科学部のホームページ(http://www.tokushima-u.ac.jp/ias/)にも掲載しておりますので,そちらもご覧いただけましたら幸いです。
研究会例会・読書会:
日 時: 令和2年2月29日(土) 10時30分~12時
場 所: 徳島大学総合科学部1号館3階南棟 第1会議室
※お車でお越しになる場合,駐車場(工学部の正門ゲートを通って図
書館南側駐車場)が利用可能ですが,できるだけ公共の交通機関を
ご利用ください。
なお,ゲートに守衛さんが不在の時には,インターホンで来意を
お告げください。
参 加 費: 無料(申し込み不要)
読書会の内容:資料はその場で配布予定です。
お問い合わせ先:
徳島大学教養教育院
宮崎隆義
電話: 656-7131
メールアドレス: miyazaki.takayoshi@tokushima-u.ac.jp