徳島大学総合科学部モラエス研究会

徳島大学総合科学部モラエス研究会の活動記録

【モラエス研究会例会・読書会7月26日】

いつもながら遅くなりましたが,7月26日に予定どおり例会・読書会を開きました。

『おヨネとコハル』については,最終ということで,「私の追慕の園で」,「ある日本の諺」を中心に話題を提供いたしました。モラエスの最期の頃の部屋の様子などが話題となり,人形のこと,映っているこまごまとしたものなど,興味深いものでした。モラエスの遺品などが残っていればと,終戦を迎える日が近づくとつくづく無念に思われます。

「私の追慕の園で」や「ある日本の諺」に至ると,『おヨネとコハル』という「作品」の持つ意味がおぼろげにわかってくるような気がします。「おぼろげに」というところが肝要で,これだという正解があるわけでもありませんので,あとは深く私たちの心の中に埋めて考えてゆくことが大切でしょう。おヨネさんやコハルさんの戒名について,モラエスは自由にその意味を述べていますが,当時のこの文章を読む読者を意識していたのかいなかったのか,今ひとつ不明なところがあります。
「想像のつばさ」が今,朝のドラマで一つのキーワードのようになっていますが,この作品に掲げられた例のロチの引用文にある「憐れみ」とも通ずるわけで,モラエスは,この「作品」から,普遍的な人間の「憐れみ」のこころを考えようとしていたのかもしれません。


   

   


次からの例会・読書会では,岡村多希子先生が文庫版の『日本精神』を刊行されていますので,そちらに移りたいと考えています。



 読書会は,これまでと同様に,行きつ戻りつしながら,作品を楽しみつつ,昔の様子や,当時の記憶などを留めていきたいと思いますので,関連して,「昔ここはこうだった,あそこはああだった」とか,どんなことでも結構ですので,いろんな情報や話題をご提供くだされば大変ありがたく存じます。研究例会・読書会はいつも公開で,モラエスに興味や関心がおありの方,あるいは徳島の魅力再発見をお考えの方など,自由にお気軽に参加していただくことを考えて開いておりますので,若い方々,昔の徳島の姿をご記憶の方々の参加をお待ちしております。


次回の例会・読書会ですが,まだまだ暑さ厳しい頃となりますが,以下の日程を予定しております。

研究会例会・読書会:

日   時: 平成26年8月30(土) 10時30分〜12時
場   所: 徳島大学総合科学部1号館南棟3階 第1会議室       徳島市南常三島町1−1)

※お車でお越しになる場合,駐車場(工学部の正門ゲートを通って図書館南側駐車場)が利用可能ですが,できるだけ公共の交通機関をご利用ください。なお,ゲートに守衛さんが不在の時には,インターホンで来意をお告げください。

参 加 費: 無料(申し込み不要)

お問い合わせ先:
徳島大学総合科学部 宮崎隆義
電話番号 656−7131
メールアドレス:miyazaki@ias.tokushima-u.ac.jp

読書会の内容:
『日本精神』
(岡村多希子訳,徳島日本ポルトガル協会,500円)