徳島大学総合科学部モラエス研究会

徳島大学総合科学部モラエス研究会の活動記録

【モラエス研究会例会・読書会8月30日】

8月30日に予定通り例会・読書会を開きました。

今回からモラエスの『日本精神』を扱います。
1996年版の『日本精神』(彩流社)には,口絵写真にモラエス肖像画が紹介されていますが,樋口冨麻呂作,文展出品との情報があり,そのあたりを調べて見ますと,1952年(昭和27年)に開催された第8回日展に出品された「M氏の部屋」と考えられます。しかしながら,その絵がどこにあるのか,あるいはその絵のカラーの写真とかが残っていないのだろうか,などが話題となりました。白黒の写真から,モラエスのひげの色や髪の毛の色をある程度想像しようと思えばできないことではありませんが,絵画が残っていてその所在がわかれば,あるいはカラーの写真とか,元絵のようなものでもあればと思います。

このブログを目にしていただいた方で,何らかの情報をお持ちの方がいらっしゃいましたら是非お知らせいただければと思います。

この絵には,M氏,つまりモラエスの部屋として,今眉山山頂のモラエス館に再現されているモラエスの書斎のようなものが描かれていますが,おそらく,実際のモラエスの部屋を描いたと考えられないので,再現された部屋をもとに想像も交えて描かれたものかもしれません。細かいところをじっくりとみるとなかなか興味深いものです。

『日本精神』の,最初の方をあれこれ話題としましたが,日本人の魂を理解しようとするモラエスの姿が浮かんできます。ハーンやパーシヴァル・ローウェルの言葉が引用されて,ふたりに対する敬意を表明しながら,30年近く日本で暮らしたモラエスの自負もうかがえます。

   
   

 読書会は,これまでと同様に,行きつ戻りつしながら,作品を楽しみつつ,昔の様子や,当時の記憶などを留めていきたいと思いますので,関連して,「昔ここはこうだった,あそこはああだった」とか,どんなことでも結構ですので,いろんな情報や話題をご提供くだされば大変ありがたく存じます。研究例会・読書会はいつも公開で,モラエスに興味や関心がおありの方,あるいは徳島の魅力再発見をお考えの方など,自由にお気軽に参加していただくことを考えて開いておりますので,若い方々,昔の徳島の姿をご記憶の方々の参加をお待ちしております。


次回の例会・読書会ですが,以下の日程を予定しております。

研究会例会・読書会:

日   時: 平成26年9月27(土) 10時30分〜12時
場   所: 徳島大学総合科学部1号館南棟3階 第1会議室       徳島市南常三島町1−1)

※お車でお越しになる場合,駐車場(工学部の正門ゲートを通って図書館南側駐車場)が利用可能ですが,できるだけ公共の交通機関をご利用ください。なお,ゲートに守衛さんが不在の時には,インターホンで来意をお告げください。

参 加 費: 無料(申し込み不要)

お問い合わせ先:
徳島大学総合科学部 宮崎隆義
電話番号 656−7131
メールアドレス:miyazaki@ias.tokushima-u.ac.jp

読書会の内容:
『日本精神』
(岡村多希子訳,徳島日本ポルトガル協会,500円)