徳島大学総合科学部モラエス研究会

徳島大学総合科学部モラエス研究会の活動記録

【報告と次回の案内】

 2/27(土)の研究会では、モラエスの七回忌法要について調査した結果を佐藤が報告しました。

 

 1935(昭和10)年7月1日、モラエスの七回忌法要が盛大に営まれました。モラエスの本格的な顕彰活動はこの時に始まったと言えるかもしれません。七回忌を盛大に営むことを発案したのは、学務部長として徳島県に赴任してきた湯本二郎でした。政府を動かし盛大な法要になったのは、彼の圧倒的な情熱によるものでした。しかし、日本政府にとっても法要を後援し、モラエス顕彰を推し進める 理由がありました。1931(昭和6)年に始まった満州事変や1933(昭和8)年に国際連盟を脱退したことにより悪化した日本のイメージを回復するため設立された国際文化振興が法要に参加したこともそうですし、日本文化連盟会長で内務省警保局長を務めたことのある松本学も法要に加わり、モラエスの「日本精神」を利用して国威発揚を目論み、国内外にモラエスをアピールすることを企図しました。 

 また、徳島側にとっては、モラエス顕彰は国内外に徳島を紹介する材料としたいという期待がありました。

 このように徳島に住んだ外国の偉人を純粋に讃えるという意味を超えて、様々な狙いが七回忌には込められていました。

 

この調査結果、は3月末に発行する『令和2年度総合科学部創生研究プロジェクト経費・地域創生総合科学推進経費報告書「異文化に照らし出された四国~グローカルな視点からの地域文化に関する文献調査から~」』に掲載されます。

 

 さて、次回の研究会・読書会は下記の日時で開催いたします。ふるってご参加ください。

 

研究会例会・読書会

日   時: 令和3年4月3日(土) 10時30分~12時

場   所: 徳島大学総合科学部1号館・南棟3階・ゼミ室6

      (下のキャンパスマップの青丸で示した場所です)

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※お車でお越しになる場合,駐車場(工学部の正門ゲートを通って図書館南側駐車場)が利用可能ですが,できるだけ公共の交通機関をご利用ください。なお,ゲートに守衛さんが不在の時には,インターホンで来意をお告げください。

 

参 加 費: 無料(申し込み不要)

読書会の内容:資料はその場で配布予定です。

    

 

お問い合わせ先:

徳島大学大学院社会産業理工学研究部

佐藤 征弥

電話:088-656-7222

メールアドレス:satoh.masaya@tokushima-u.ac.jp

 

【2021年2月27日(土)にモラエス研究会例会・読書会開催します】

 1月に徳島新聞から取材を受けました。「スペイン風邪と徳島」という企画ということで、モラエスが100年前のスペインかぜが徳島でも猛威をふるっていたことを記していたことを紹介しました。1917年の冬、スペインかぜが日本に上陸し、徳島でも人がばたばたと倒れていくなか、モラエスは、今でいうところのステイホームを実行して感染を免ました。ところが、スペインかぜは翌年も流行し、この時はモラエスは罹患しましたが、幸い軽症で済んだようです。この内容は、1月28日の朝刊に掲載していただきました。 

 新型コロナウィルスの方は、第三波も収まりつつあり、ワクチン接種も始まりました。こちらの方は1シーズンだけで済むよう願います。

 さて、下記の日時で研究会・読書会を開催いたします。ふるってご参加ください。

 

 

研究会例会・読書会

日   時: 令和3年2月27日(土) 10時30分~12時

場   所: 徳島大学総合科学部1号館・南棟3階・ゼミ室6

      (下のキャンパスマップの青丸で示した場所です)

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※お車でお越しになる場合,駐車場(工学部の正門ゲートを通って図書館南側駐車場)が利用可能ですが,できるだけ公共の交通機関をご利用ください。なお,ゲートに守衛さんが不在の時には,インターホンで来意をお告げください。

 

参 加 費: 無料(申し込み不要)

読書会の内容:資料はその場で配布予定です。

    

 

お問い合わせ先:

徳島大学大学院社会産業理工学研究部

佐藤 征弥

電話:088-656-7222

メールアドレス:satoh.masaya@tokushima-u.ac.jp

 

緊急告知:研究会・読書会中止のお知らせ

コロナウイルス感染拡大防止のため、1月9日(土)に予定していた研究会・読書会は、中止いたします。ご参加を予定されていた皆様には、大変申し訳ありません。心よりお詫び申し上げます。

 また、直前の連絡となりましたことを、重ねてお詫び申し上げます。

 

 

お問い合わせ先:

徳島大学大学院社会産業理工学研究部

佐藤 征弥

電話:088-656-7222

メールアドレス:satoh.masaya@tokushima-u.ac.jp

 

【モラエス研究会例会・読書会2020年12月5日の報告 & 次回予告】

1 ) 例会・読書会開催の報告

 2020125日(土)に例会・読書会を開催しました。

 読書会の前に、『徳島中学校・城南高校百年史』からモラエス全集翻訳をなしとげた花野富蔵氏の旧制中学の学生だった頃のエピソードを紹介しました。学校が発行する機関誌『渦の音』に載せるために書いた作文が、掲載を拒否され、学校に絶望したエピソードは、その後の彼の人生に繋がるように思われます。また、『徳島中学校・城南高校百年史』には、モラエス宅の近所に住み『徳島の盆踊り』にも登場する徳島中学校の教師小出植男に関するエピソードも記されていました。

 

 読書会では『シナ・日本風物詩』から「楠公の白馬」を読み合わせました。モラエスは、湊川神社で飼われている神馬、退屈な日々を過ごす白馬に自分を重ね合わせるのでした。

 この作品の読みどころの一つは、賑やかな祭りの様子の描写です。

 

「ちょっと離れたところに、銅貨一枚で入場できる大衆向きの見世物小屋 — 賢い犬と猿、豪力の力士、奇形児の男女、奇怪な大蛇、パノラマ — や、噺家(はなしか)がおもしろおかしい噺を常連にきかせて、気をまぎらわせている「よせ」がある。もっと広い空地では、蓄音機を据えつけた人や、「げんすい」という大道歯医者や、奇跡的な薬の発明者が、なにやらわめきたてて、くどくどと説明したり説教したりしている。」

 

 

 現在は、このような光景はなくなってしまいました。徳島でも縁日が立つような神社のお祭りは見られません。地域おこしの類のイベントがそれに替わっていっているのでしょう。研究会では、このような祭りの情景の変化について会話がはずみました。

 

 また、面白いことにこの「楠公の白馬」は、横光利一の「神馬」という作品にとても似ています。神馬の退屈な1日を主題としているところ、老婆から豆をもらうところ、牝馬に興奮するところが共通しています。横光とモラエスにはまったく接点はなさそうですし、横光が「神馬」を書いたのはモラエスがこれを発表した8年後ですが、邦訳されていなかったので、横光がこれを読んだとも考えにくいです。偶然なのか、それともどこかで知る機会があったのか、興味深いです。

 

 研究会終了後に、学部図書室に展示された「文学者がみたモラエス」パネルを見学してもらいました。モラエスのことを知らない学生でも、著名な文学者のコメントを通してモラエスに関心を持ってもらえるのではないかと、見学者から期待の声があがりました。

 

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2 )  次回開催予定

研究会例会・読書会

日   時: 令和3年1月9日(土) 10時30分~12時

場   所: 徳島大学総合科学部1号館・南棟3階・ゼミ室6

      (下のキャンパスマップの青丸で示した場所です)

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※お車でお越しになる場合,駐車場(工学部の正門ゲートを通って図書館南側駐車場)が利用可能ですが,できるだけ公共の交通機関をご利用ください。なお,ゲートに守衛さんが不在の時には,インターホンで来意をお告げください。

 

参 加 費: 無料(申し込み不要)

読書会の内容:資料はその場で配布予定です。

    

 

お問い合わせ先:

徳島大学大学院社会産業理工学研究部

佐藤 征弥

電話:088-656-7222

メールアドレス:satoh.masaya@tokushima-u.ac.jp

 

【2020年12月5日(土)にモラエス研究会例会・読書会開催します】

新型コロナウィルスの影響により、開催が延び延びになっておりましたが、下記の日時で研究会・読書会を開催いたします。ふるってご参加ください。

 

なお、一つ前の記事にありますように、徳島県立文学書道館の企画展「文学者の見たモラエス」で使われたパネル類が、徳島日本ポルトガル協会のご厚意により、現在、徳島大学にて常設展示しております。これらのパネルの見学も予定しております。

 

研究会例会・読書会

日   時: 令和2年12月5日(土) 10時30分~12時

場   所: 徳島大学総合科学部1号館・南棟3階・ゼミ室6

      (下のキャンパスマップの青丸で示した場所です)

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※お車でお越しになる場合,駐車場(工学部の正門ゲートを通って図書館南側駐車場)が利用可能ですが,できるだけ公共の交通機関をご利用ください。なお,ゲートに守衛さんが不在の時には,インターホンで来意をお告げください。

 

参 加 費: 無料(申し込み不要)

読書会の内容:資料はその場で配布予定です。

    

 

お問い合わせ先:

徳島大学大学院社会産業理工学研究部

佐藤 征弥

電話:088-656-7222

メールアドレス:satoh.masaya@tokushima-u.ac.jp

 

【総合科学部1号館に新たにパネルを展示しました】

 徳島大学総合科学部1号館1階の廊下には、以前からモラエスに関するパネルを掲げていましたが、新たに20枚のパネルを常設展示することになりました(下の写真)。これらの新たなパネルは、徳島県立文学書道館の企画展「文学者の見たモラエス」で展示されたものです。企画展終了後、徳島日本ポルトガル協会がパネルを譲り受け、同協会のご好意で総合科学部にご寄贈いただきました。徳島県立文学書道館ならびに徳島日本ポルトガル協会に感謝申し上げます。

 モラエスは、日本で有名になることを望まず、生前に彼の著書の翻訳本は出版されませんでしたが、死後に著作が次々と翻訳されると、日本の文壇はまたたくまに彼に注目しました。

 多くの日本人作家の論評を通じて、かつて徳島の地に長年過ごした一人のポルトガル人の数奇な運命や精神性に思いをはせていただけたらと願います。

 

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緊急告知:研究会・読書会中止のお知らせ

徳島県内のコロナウイルス感染者の増加にともない、感染拡大防止のため、8月8日(土)に予定していた研究会・読書会は、中止いたします。ご参加を予定されていた皆様には、多大なご迷惑をおかけしますこと、心よりお詫び申し上げます。