徳島大学総合科学部モラエス研究会

徳島大学総合科学部モラエス研究会の活動記録

【モラエス研究会例会・読書会12月24日】

新しい年を迎えました。皆様ご健勝のことと存じます。
昨年も,ファド講座,大竹洋子さんをお迎えしてトークを交えた『恋の浮島」映画鑑賞会と,また,ガレリア新蔵での展示会と,充実した年となりました。
今年も,できる限りのことをして,モラエス顕彰並びにポルトガルの文化歴史を知ることをイベントやこの研究例会・読書会を通して進めていきたいと考えております。

 前回12月24日(土)の例会・読書会では,「第10章 芸術と文学(5) 俳句」として話題を提供し,皆様とお話をいたしました。
 モラエスが日本の俳句や短歌に興味を持ち,幾分か紹介しポルトガル語にも翻訳しておりますが,どうも翻訳に成功したとは言い難いようです。俳句が英語に訳された場合,大概3行詩で紹介されておりますが,英語で書かれているのであればそれは英詩に他ならないだろうと,同様に,ポルトガル語で4行詩のクワドラで翻訳されたり作られたとしても,やはりそれはポルトガル詩に他ならないだろうと,少し意地悪く思ったりもします。形式の問題や,音節の問題など,さらには季語や,松尾芭蕉が鮮烈に描き出した静と動,時間感覚の凝縮など,ひとつの芸術が異文化に影響を与えてさらに新たなものを生み出す妙というものがあり,それはそれでまた素晴らしいものですが,同時に,言葉というものの難しさと,その面白さというものには果てがないように思います。

   
   


 次回の例会・読書会は,1月28日(土)を予定しています。お立ち寄りいただけましたら幸いです。

 読書会は,これまでと同様に,行きつ戻りつしながら,作品を楽しみつつ,昔の様子や,当時の記憶などを留めていきたいと思います。関連して,「昔ここはこうだった,あそこはああだった」とか,どんなことでも結構ですので,いろんな情報や話題をお気軽にご提供くだされば大変ありがたく存じます。研究例会・読書会はいつも公開で,モラエスに興味や関心がおありの方,あるいは徳島の魅力再発見をお考えの方など,自由にお気軽に参加していただくことを考えて開いておりますので,若い方々,昔の徳島の姿をご記憶の方々の参加をお待ちしております。


研究会例会・読書会:
日   時: 平成29年1月28日(土) 10時30分〜12時場   所: 徳島大学総合科学部1号館南棟3階 第1会議室
   (徳島市南常三島町1−1)
 ※お車でお越しになる場合,駐車場(工学部の正門ゲートを通って図書館南側駐車場)が利用可能ですが,できるだけ公共の交通機関をご利用ください。
  なお,ゲートに守衛さんが不在の時には,インターホンで来意をお告げください。
参 加 費: 無料(申し込み不要)
読書会の内容:『日本精神』(文庫版:徳島日本ポルトガル協会)
        (岡村多希子訳,500円)
※本については,訳者の岡村多希子先生,並びに徳島日本ポルトガル協会のご厚意とご協力でご提供させていただいております。


お問い合わせ先:
徳島大学大学院総合科学研究部
宮崎隆義
電話: 656−7131
メールアドレス:miyazaki.takayoshi@tokushima-u.ac.jp