更新がすっかり遅くなってしまいましたが,1月21日(土)に予定通り例会・読書会を開催しました。
読書会としては,「祭日のごちそう」を中心に話題が広がりました。
この部分は,妹のフランシスカ・パウルに宛てたものですが,モラエス自身は,フランシスカの結婚についてはかなり気を揉んでいらだちも感じたようです。肉親として,兄として妹のことが大変心配だったのでしょうが,この章ばかりでなく,他の著述でも文章のはしばしにそうした家族への思いがうかがえます。
正月に関わって,暦の違いや,正月のごちそうなどについての思いを述べながら,それと対比するように,モラエスのひとり暮らしの様子,モラエスの食事作りが描かれています。その対比がさらに,若く華やかで栄光に満ちた過去と,今の境遇との対比ともなっており,読む者になにがしかの憐憫の情をかきたてます。
こうした過去と現在との対比ばかりでなく,モラエスの随想のそこかしこに,当時の時代の考え,いわゆる思潮をうかがわせるものが見られますが,その点で,当時のヨーロッパにおける大きな時代思潮の流れの中でモラエスの作品を捉え直し,同時に,当時の日本との対比を今一度細かく分析してゆく必要があろうかと思います。
これからの予定として,3月17日に「神戸三宮調査資料見学ツアー」を計画しております。諸般の事情で,ご案内は徳島県内の方々に限らせていただき,人数も制限をしなければなりませんが,すでにご案内はお送りして調整をする段取りとなっております。
今後何回かこうした企画を立てる予定ですので,企画への参加につきましては,どうぞ長期的にお考えいただけましたら幸いです。
次回の研究例会・読書会もまた変則的ではありますが,3月3日(土)を予定しております。
研究例会・読書会
日時:平成24年3月3日(土) 10時30分〜12時
場所:徳島大学総合科学部1号館1階・玄関北 「地域交流プラザ」
※お車でおいでの際には,工学部正門のゲートより入られて,図書館南側の駐車場に駐車いただきますようお願いいたします。ゲートに守衛さんが不在の場合は,インターホンを押して来意をお告げください。
問い合わせ先: 宮崎隆義
電話:088-656-7131
E-mail: miyazaki@ias.tokushima-u.ac.jp