徳島大学総合科学部モラエス研究会

徳島大学総合科学部モラエス研究会の活動記録

【モラエス研究会例会・読書会12月22日】

予定通り,12月22日(土)に,例会・読書会を開催しました。

12月7日(金)には,藤原正彦氏の講演会「モラエス,父,私」があり,700人ほどの聴衆で盛会となりました。ユーモアを交えた巧みな話術で,たっぷり1時間30分楽しませていただきました。数学者でありながら父の薦めでエッセイへと筆を染め,やがて父の遺作完結に取り組むことになった経緯や,小説を書くことの難しさ,また,モラエスの捉え方が違ってはいなかったことなど,興味深く聞かせてもらいましたが,私たちの研究会での取り組みから浮かんできたモラエスの姿が,そう食い違ってはいなかったことにほっといたしました。

ご講演の内容は,徳島新聞朝刊12月24日付けの第12面に掲載されております。


22日の例会・読書会では,「潮音寺の墓地のごみため」を中心に扱いました。

前にも話題になったことがありますが,たとえば「伊賀町」を「栗の毬」の「イガチョウ」と考えていたというのは,モラエスの勘違いなのか,それともわざとユーモラスに書いたのか,判然としないところがあります。同様に,「潮音寺」についても,原文では,Chiyo onji となっていて,次の章に出てくる「千代子」に掛けたものか,興味深くもあります。日本語があまりできず,耳で聞いた言葉をローマ字で書き表すとき,勘違いのままにしておいたのか,それとも意図的なのか,面白いところです。
潮音寺や瑞巌寺など,今と昔とがかなり様子が違っていることなど,参加されている方々のお話は興味深いものでした。今の国魂神社の提灯のまんじ模様が,逆になっているとのお話も面白いものでした。潮音寺のモラエスとコハルの墓についても,本文に書かれているように,モラエスが掃除の時に墓石を下ろしたり回したりしていたというのが,本当なのか嘘なのか,これもまた面白いお話でした。


   
   

次回の研究例会・読書会もまた学会等の都合で変則的になり申し訳ございませんが,年明け2月2日(土)を予定しております。 

   

研究例会・読書会

日時:平成25年2月2日(土) 10時30分〜12時

場所:徳島大学総合科学部 1号館南棟3階 「第1会議室」

       (徳島市南常三島町1−1)

※お車でおいでの際には,工学部正門のゲートより入られて,図書館南側の駐車場に駐車いただきますようお願いいたします。ゲートに守衛さんが不在の場合は,インターホンを押して来意をお告げください。

参 加 費: 無料(申し込み不要)

読書会の内容:

 読書会の作品『おヨネとコハル』(岡村多希子訳, 彩流社, 2000円+税)

問い合わせ先: 宮崎隆義

        電話:088-656-7131

        E-mail: miyazaki@ias.tokushima-u.ac.jp