第五回内国勧業博覧会の勧誘
読書会ではモラエスの『日本通信 I』をテキストにしていますが、これはポルトガル第二の都市ポルトの新聞『ポルト商報』に定期的に寄稿した記事をまとめたものです。
モラエスは1903年(明治36年) に大阪で開催された第五回内国勧業博覧会にポルトガルから参加するよう何度も呼びかけていますが、今回の読書会で紹介した記事では、次のように日本を宣伝します。
当地の物産の、無数の美術的な製品の展示品を購入できる人だけが、ここに来ることを望む。それらの品がリスボン市やポルト市で熱狂的な歓迎を受けるだろうことは、充分に明白なことであるし、業者はその事情を認識することによって、将来当地に注文する好機会が得られるだろうからだ。」
ところで、その人物は展示品のトランクと一緒に自己の体験から得た知識をひっさげて、それに当地に魅せられた心も少しいだいて、なつかしの故国に帰るであろう。ポルトガルの通商上に大きい利益を得たことになるだろうし、日本が決して想像したような夢の国でなく、ひどく大勢の仏教信者がたむろしていて、日本人に近寄ろうとする無法者の首をはねるために刀を帯びているのではないと、友人に話すにきまっている。
事実、三百年余り前には、われわれの多くがこの運命にあった。しかし、最初にやって来たメンデス・ピントは愛想よく迎えられたし、使徒シャヴィエルは日本のことを好感のもてる国と言っていた。
冗談はお許し願うとして、それが事実である。
日本の美術工芸品がポルトガルでも受けいられるであろうこと、そして日本人での滞在は良い経験になるだろうと述べています。
研究会開催ご案内
次回の研究会・読書会は下記の日時で開催いたしますので、奮ってご参加ください。
会場は、通常開催しているゼミ室6です。
研究会例会・読書会:
日 時: 令和5年3月18日(土) 10時30分~12時
場 所: 徳島大学総合科学部1号館・南棟3階・ゼミ室6
(下のキャンパスマップの赤丸で示した場所です)
※お車でお越しになる場合,駐車場(工学部の正門ゲートを通って図書館南側駐車場)が利用可能ですが,できるだけ公共の交通機関をご利用ください。なお,ゲートに守衛さんが不在の時には,インターホンで来意をお告げください。
参 加 費: 無料(申し込み不要)
読書会の内容:資料はその場で配布予定です。
お問い合わせ先:
徳島大学大学院社会産業理工学研究部
佐藤 征弥
電話:088-656-7222
メールアドレス:satoh.masaya@tokushima-u.ac.jp